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開業準備~事務所編④~

こんにちは、社会保険労務士・行政書士の前西原 清城(まえにしはら せいじょう)です。

レンタルオフィスでは登録許可が下りない可能性があるということが分かりました。

ここでちょっと、事務所設備の要件を確認したいと思います。

事務所設備は『行政書士事務所設置指導基準』というので定められております。この基準を満たさなければ、登録の許可はおりません。

(1)事務用机・椅子
(2)書類保管庫
(3)金庫
(4)電話
(5)コピー機
(6)書類作成装置(パソコン・ワープロ等)
(7)事務所入来社控用具(テーブル・椅子・記載台等)
(8)用紙、雑品等収納庫または収納棚
(9)業務用図書および図書棚

(1)事務用机・椅子
執務机と椅子です。当然仕事する上で必要となります。特別なものである必要はありません。

(2)書類保管庫
書類保管庫とは、鍵付きキャビネですね。鍵付きキャビネって色々ありますが、オフィスでよく利用するものであれば大丈夫です。概ね下記3パターンに分かれるかと思います。事務所の作り、広さなどで決められるのがいいでしょう。

(3)金庫
行政書士は他の士業と違って、直接お客様と現金授受することが結構ありますので、金庫が必要となります。
かといって、↓の様な立派な金庫でなくて大丈夫です。手提げ金庫で大丈夫です。

ただし、手提げ金庫は必ず鍵つきのキャビネに保管するようにしてください。

(4)電話
固定電話である必要はありません。今使用している携帯でも問題ありません。
固定電話の場合、事業用回線か一般家庭回線かも問いません。これは入居する場所に依存することになります。また、ビジネスフォンである必要は全くありません。

(5)コピー機(スキャナー付きプリンターで代用)
立派なビジネスプリンターである必要はありません。
家庭でも使うようなプリンターで十分です。ただし、コピー機能も備えた機種の方がいいと思います。
仕事をしていく上でコピーする機会があるでしょうし、その度にコンビニやキンコーズなどに行くのは時間の無駄です。扱う資料は非常に多いですから、コピーを複数回しただけでコピー機能付きのプリンターを購入できるくらいの金額あっという間にいきます。
A4サイズ、白黒、コピー機能付きの機能は備えていれば最低限大丈夫かと思います。

(6)書類作成装置(パソコン・ワープロ等)
特別な事情がないのであれば、やはりパソコンにするのがいいと思います。逆にワープロを実務で使う人はいないとおもいますが。今はPDFなどで書類のやりとりをしますから、ハード以外にもソフトウェアも最低限ありますが、それはまたの機会に紹介します。
パソコンの場合、ノートタイプかデスクトップタイプかとありますが、余裕があるのであれば、デスクトップとノート両方あるのが望ましいと思います。
メインをデスクトップにし、打合せ時の持ち出し用にノートと使い分けるのがいいでしょう。プレゼンだけならノートの代わりにiPad等のタブレットでも良いかと思いますが、顧問先に行って何か作業したりすることもありますので、個人的にはノートをお薦めします。タブレットとノート両方に使える2 in 1 PCでも良いかと思います。立ち上げ時はノートのみでもいいと思います。

(7)事務所入来社控用具(テーブル・椅子・記載台等)
打合せスペースのことですね。自宅の場合はこのスペースを設けるのは結構大変じゃないでしょうか?
事務所を借りるにしても、それなりのスペースが必要になるので、その分家賃に直結してしまうのが厄介です。スモールスタートでいく場合は極力抑えたいですね。

(8)用紙、雑品等収納庫または収納棚
これはキャビネに収納できるスペースがあれば問題ありません。キャビネが小さいようでしたら、カラーボックス等でもいいでしょう。

(9)業務用図書および図書棚
本棚があればそれにこしたことはありませんが、キャビネの上等で十分です。

以上が事務所内の設備になります。
これらを開業登録時に全て揃えないとだめかというとそんなことはありません。
登録時に事務所内の平面図を提出するのですが、その時にどこに何を設置するかが明記されていれば大丈夫です。
購入は許可が下りてからで大丈夫です。

因みに、私が登録申請時に提出した平面図はこんな感じです。

登録申請の際に、下記写真も添付いたします。
(ア)建物の全景
(イ)事務所の入り口(表札の掲示が確認できるもの)
(ウ)郵便受けの設置状況

(ア)建物の全景
これはビル全体の写真です。建物としてふさわしいかを判断するのでしょうか。
相応しくないというのがどういのか正直分かりませんが、建物として体を成しているのであれば特に問題は無いでしょう。

(イ)事務所の入り口(表札の掲示が確認できるもの)
これは建物の入り口に行政書士事務所があることが分かるようにしなければいけないそうです。ビルのフロア図などがあればよいのでしょうが、お客様が外から来て分かるようにするとのことですが、これは県会からかなり強く指導されました。レンタルオフィスなのでなかなか厳しいものがありましたが、幸い借りた部屋が表通りに窓が面していましたので、窓ガラスに即席の看板を作りまして対応しました。

(ウ)郵便受けの設置状況
郵便受けは個人情報を扱うので、事務所専用として設けられているかをチェックするようです。これもレンタルオフィスの場合は特に要注意です。郵便局の配達員さんが直接外から事務所専用のポストに入れられないとダメだそうで、私は1回申請書だしてから、郵便ポストの位置と写真を追加で出すよう指導されました。
レンタルオフィスでたまにあるのが、共有の郵便受けがあり、レンタルオフィスの担当者が定期的に来て、郵便物を振り分ける、そんなところもあるそうなので、これは行政書士の場合NGですね。

さて、ここまで行政書士を中心に事務所要件について触れました、社会保険労務士の事務所要件はどうなのか?

これは特に厳しい要件はありません。行政書士の様に、写真や平面図などは一切求められませんでしたし、事務所設備についても特に聞かれませんでした。行政書士の事務所要件をクリアすれば、社労士は問題なく登録されると思います。