日々徒然

区役所相談会

先日中原区役所において社労士として川崎市の雇用・労働相談会対応です。川崎市労働局労働雇用部が窓口で、中原区役所の5階の会議室を利用し午後1時~午後5時までの担当だったのですが予約の相談が1件だけでした。相談者様の事前情報が無かったのですが、通常会社様の相談が多いので雇調金の資料や働き方改革等諸々資料を用意して臨んたのですが、相談は個人の方の相談でした。

相談内容の個別具体的な事は書けませんが、まさに新型コロナウイルス感染症の影響が雇用に大きく影響され、自分の力だけではどうしよう無い現実に落ち入れられている状況で、ある意味会社の相談と違って明確な答えが出しづらかったのですが、選択肢を何点かお伝えし現状最善だと思うことをお伝えしました。

話は変わりますが、厚生労働省では新型コロナウイルス感染症が雇用に与える影響について、各都道府県の労働局からの聞き取り情報や公共職業安定所に寄せられた相談・報告書を基に集計したデータを公表しております。そのデータの中に、『新型コロナウイルス感染症に起因する雇用への影響に関する情報について』なるレポートが出されているのですが、最新の集計データである3月5日時点で新型コロナウイルス感染症に起因する解雇等見込み労働者数が9万3,354人になるとしています。

業種別では、製造業で2万人を突破し、2万536人で最多となっており、続いて、飲食業が1万2,024人、小売業が1万1,775人、宿泊業が1万1,373人、卸売業5,765人などとなっております。都道府県別に見ると、事業者数が多い東京都が2万1,436人で最多で、続いて、大阪府が8,687人、愛知県が5,122人、神奈川県が4,279人、北海道が3,413人などとなっています。

ただし、この数字はあくまでも厚生労働省が把握している数字であって、実際の解雇等の数はこの数字を遙かに超えるものと推察されます。増加数の大きな業種としては飲食業ですが、これは緊急事態宣言が再発出され3月7日に終了予定が更に2週間延びましたので更に雇用調整に踏み切る事業者数は増えたことでしょう。中でも飲食店に勤める非正規の女性の解雇、雇い止めが深刻です。それに比例して女性の自殺率も増えているニュースを目にする事が多くなってきました。

女性の自殺が大幅に増えているのは間違いなく雇用情勢が大きく影響しているものと思われます。女性は比率で言ってもパートや派遣社員など非正規雇用で働く人が多いので、企業が業績悪化で人件費削減のために雇用調整を始めたら解雇や雇い止めをもろに受けてしまいます。外出自粛で飲食店など対面サービス業や観光業はもともと女性の雇用者が6割を超えるといわれておりますし、そのかなりの割合で非正規雇用となっていますので今後も厳しい状況が続くと思われます。

本日21日をもって二ヶ月半にわたった緊急事態宣言が全て解除されますが、学生さんの卒業旅行、会社の歓送迎会、花見など人の流れが増えることは間違い無いでしょうし、新規感染者の数を見ても既にリバウンドが起こり始めている県も多々見られます。経済だけみれば明るい話かも知れませんが、ここまで落ち込んだ経済がV字回復するとは到底思えませんし、去年に調達した運転資金の返済が始まっている会社も相当数あるでしょう。そして何より雇用調整助成金によって抑えたれた失業率も、今後規模の段階的に縮小に入りますのでますます雇用調整が広がっていくものと思います。企業の雇用調整はとりわけ女性や非正規雇用の労働者を直撃しますので政府や地方自治体も感染抑制と経済活動の両立でこれからが正念場だと思います。

また、緊急事態宣言は今回限りにするためにも、明日からは我々国民1人1人の行動が更に問われるかと思います。ワクチンという希望の光が見えてきた今、早期のコロナウイルスの収束のためにもう少しだけ我慢出来るところは我慢をしていくことが重要だと思います。

新型コロナウイルスの集団感染を防ぐために
厚生労働省より