コラム

雇用調整助成金の特例措置再延長

厚生労働省のサイトではまだ正式に発表ありませんが、複数のマスメディアが発表しておりますので、朝日新聞デジタルの記事を紹介します。どの記事も再延長と報じておりませんが、当初の6月末が9月末まで延長されておりますので私は再延長としました。

雇用調整助成金の特例措置、現行のまま年末まで延長へ

朝日新聞デジタルより

厚生労働省のサイトをしてたのですがまだ延長されると出ていないのでまだ正式発表ではないと思われますが、記事によりますと政府は昨日現行の助成率、15,000円の上限額はそのまま12月末まで延長する方針を固めたとのこと。理由としては新型コロナウイルス感染症の拡大がまだまだ収束に向かわずさらなる雇用情勢の悪化が見込まれるので、一部自民党議員から出ていた特例規模の縮小案も押し切った形です。

特例延長には与党公明党や野党、そして自民党内からも要望が多数出ていました。そして各業界団体も要望書を提出していました。8月7日に日本商工会議所と東京会議所が『雇用調整助成金の特例措置の延長に関する緊急要望』を連盟で出しておりましたが、こういった声を受けての判断だと思います。

ただ、特例延長の問題点として、一連の手厚い支援策で財源の逼迫化の問題があります。雇用調整助成金の原資は一般的には馴染みが薄いと思いますが雇用保険のメインの事業である失業等給付事業とは別の予算枠、雇用保険二事業の雇用安定事業の予算から拠出されております。他にもキャリア形成促進助成金などは能力開発事業の予算から拠出され、この二つの事業のことを雇用保険二事業といって失業保険の給付を減らすために、失業の予防(まさに雇用調整助成金がそれ)、雇用機会の増大、労働者の能力開発等に資する雇用対策です。

雇用調整助成金は労度保険特別会計雇用保険勘定がお金の出所です。雇用保険料は事業主と労働者の折半負担でそれぞれ1000分の3負担しておりますがこれは雇用保険のメインである失業給付等になる財源です。雇用調整助成金は雇用安定事業の中の給付でその原資は事業主ののみが拠出しており1,000分の3別に負担され、雇用安定資金に回ります。

雇用保険2事業特別会計の安定資金残高はコロナ前まではそれなりに潤沢にあったのがいまや8割位を今回の雇用調整助成金だけで使ったとの記事を見たことあります。この2事業の中の助成金には雇用調整助成金以外にも沢山の種類があります。その原資が枯渇寸前になってるのであればこれは税金を使わざるを得ない状況かと思います。100年に一度の危機と言われているのですから今後財源は一般会計からも拠出しないとならない状況になるのは必須に思えます。このあたりの財源問題を踏まえて1月以降は規模の縮小する方向いくと記事には書かれております。場合によっては15,000円の上限が8,370円まで戻される可能性もあると思われます。そしてコロナが落ち着いたら雇用保険料もきっと上がるのでしょう。

令和2年度(当初)予算(労働保険特別会計雇用勘定)

厚生労働省より

4月や5月頃は今ほど要件緩和になっておらず添付書類の数もそれなりにあったので、申請書類が煩雑で難しい上に何とか申請まで漕ぎ付いても支給決定までが2ヶ月3ヶ月は普通にあり使い勝手の悪さが大きく騒がれておりましたが最近はかなり改善されています。実際私も顧問先の申請書を数回提出しているのですが、明らかに5月や6月頃に比べて申請してからお客様口座への着金までの処理速度が速くなっております。またコラムでも紹介しましたが雇用調整助成金が明らかに失業率の急激な悪化を防いでいます。

8月21日までに支給された金額が9,900億円を超えています。今月末までには1兆円を超える勢いです。この莫大な金額で何とか雇用の維持が保たれていることを踏まえると雇調金の存在はかなり大きいです。当初は問題山積で使えない助成金とマスメディアでは連日報道されておりましたがその後はほとんど取り上げることもなくなり、昨日のオンライン申請復活もそれこそネットでは見ること出来ましたが、テレビ等のニュースでは私がたまたま見ていなかっただけかも知れませんが報道されていないように見受けました。

雇用調整助成金支給状況
厚生労働省より引用

オンライン申請も早く復活しないかと首を長くしておりましたが昨日やっと復旧致しました。ゼロから作り直したにしてもこんなに時間掛かるかとおもってしまいます。それに前回作ったアカウントも消されておりましたのでまた一から社労士情報やお客様の情報等入れ直しでした・・・

ただ、個人的にはオンライン申請復活非常にありがたいです。今回の雇調金はまだまだ続くかと思いますので大活躍しそうで期待しておりますので、不具合でみたびサイトが閉鎖されないことを願います

本日は以上となります。最後までお読みいだだきありがとうございました。