コラム

留学生在留審査厳格化に

本日の日経新聞日曜版一面に留学生の在留審査が厳格化になる見出しの記事が掲載されております。これは出入国在留管理庁(入管庁)が出稼ぎ目的で日本へ入国する人を水際で防ごうと、今年の4月以降に日本に留学を希望する外国人に対して在留審査を厳しくすると言うことで、具体的には最終学歴の卒業証明書や預金残高などの証明書を求める国や地域を今より10倍を超す国まで適用するそうです。現在厳格審査の対象となっている国は7カ国(中国(香港など一部地域は除く)、ベトナム、バングラデシュ、ネパール、ミャンマー、スリランカ、モンゴル)ありますが、これに新たにインド、フィリピン、インドネシア、ウズベキスタン、カンボジア、ラオスなどが新たに追加されるとのことです。詳細は下図を参照下さい。これは約30年振りの大幅な審査方法の変更になる改正措置になるそうです。

今回の法改正の目的は、留学目的で日本に訪日した留学生が卒業後も本国へ帰らずに日本に不法残留するケースが年々増えてきている事に対しての措置になるかと思います。実際に2019年の年初時点、留学目的で日本へ留学を認めた外国人で不法残留している人が4,700人以上いるそうです。外国人の出入国を管理している行政庁としては、不法残留リスクが低い国として判断している118の国・地域を新たに「ホワイトリスト」に指定して、今年の4月以降に日本へ留学を希望するこのホワイトリストに指定されている国・地域以外から来る留学生に対して、これまでの7カ国と同様に例えば日本で生活を支援する親族の預金残高証明書や、その支援する親族との関係性を示す公的文書等、複数の種類を提出させそれを審査して問題無いと判断したら入国を認めると言う流れに合わす形になっております。

2019年の入管白書によると外国人労働者は1,460,463人。資格別に割合を見ると一位が身分に基づく在留資格が495,668人(全体の33.9%)二位が技能実習308,489人 (同 21.1%)、そして三位に留学生による資格外活動が298,461人(同 20.4%)と2割を超えております。現実として日本へ来ている留学生の大半が資格外活動として1週間28時間を超えない範囲で例えばコンビニのアルバイトを行っていると思います。日本は世界でも類を見ない少子高齢社会です。また経済のグローバル化によって国際競争はますます激しくなっていく現状、日本人の働き手がどんどん減っていく中でまだまだ日本は低賃金で単純労働者としての雇用がまだまだ多いですが、世界各国が高度な専門的知識を持つ外国人労働者を獲得している現状に目を向け、日本人と同等の賃金や福利厚生面を提供してそういった外国人労働者を確保する時代に入っていると思います。縁あって日本へ留学し日本の会社で就職した人の3割を超す人が、何れは本国に帰りたいという意識調査の記事を目にした事があります。この定着率を上げていくと事が人手不足問題解決の一助になるかと思います。

見出しの内容からちょっとそれてしまいましたが本日は以上となります。最後までお読みいだだきありがとうございました。