待ったなしの運送業
久しぶりのコラムになってしまいましたが、本日は9月26日の労働新聞(第3370号)にコラムを書く機会がありましたので、その内容の紹介になります。
詳細につきましては、労働新聞社のWebサイト、労働関連コラム⇒社労士プラザにも掲載されていますので下記リンクから飛んで下さい。
労働新聞社の担当者から、運輸業界の問題は労働新聞社も注視しており、前号(第3369号)の1面でトラック運転者の労働時間等改善基準告示の見直しに関する記事を掲載したばかりだったので、非常にタイムリーな内容でしたとメールが来ておりました。
ご丁寧に10部ほど送っていただきましたので、運送会社の顧問先に郵送させていただきました。初めてメディア等の媒体からの執筆依頼でこれまた初めて原稿料をいただきました。
新聞の記事には流石に行政淘汰とは書けませんでしたが2024年問題は本当に深刻で、弊所運送会社顧問先からも本当に頭が痛いと聞く機会が多くなりました。この荒波を越える為にも、先ずは来年の残業時間60時間超の割増率及び未払賃金3年遡りの対策為の案内を弊所でも始めています。
運送業はどうしても長時間労働になってしまいます。未払賃金対策の肝は勤怠管理です。まだまだ点呼からを始業にしてしまっている運送会社は数多くありますが、点呼の前に始業前点検があります。5分~10分位は掛かりますので、点呼から始業にしてしまうとこの時間は未払になってしまいます。
また、正しくは始業前点検の時間が始業では無く、労基では出社のした時間からが原則賃金が発生します。出社して作業着に着替えて始業前点呼に入るまで5分位は掛かるでしょうし、作業着のまま出勤しても始業前点検始まるまで何だかんだ5分は掛かってきますので、出社からカウントしないと未払になってしまいます。
始業前点検は道路運送車両法(日常点検整備)第47条の2法律で義務づけられていますので、労働時間に前後するいわゆる作業付帯時間は労働時間となります。
労働基準監督署が行った監督指導による賃金不払残業の是正結果(令和3年度)65億円と厚生労働省のサイトで公表されています。前回のコラムでも書きましたが未払賃金遡及は既にこれまでの2年から3年になっています。現時点で2年を超える遡りになっており、訴訟になって敗訴した場合は付加金や遅延損害金で当初の未払賃金の3倍になる可能性もあります。
2024年の労働時間の上限規制問題の前に、来年の2023年問題対策は非常に重要です。私は元々トラックドライバーでした。その経験が社労士としてこんなに生かされるとは思いもよりませんでした。運送会社勤務時代に取得した物流経営士の知識も顧問先の荷主交渉に活用出来ます。
運送業界に30年以上お世話にった身、今こそ恩返しをする絶好の機会と腹を決めてこの荒波に共に立ち向かっていく決意で労働新聞社掲載のコラムを書きました。
最後までお読みいただきありがとうございました。