不当要求防止責任者講習
先週、横浜市中区の関内地区にある開港記念館にて公益財団法人神奈川暴力追放センターが主催する『不当要求防止責任者講習』を受けて来ました。この講習は暴力団員による不当な行為の防止に関する法律第14条第2項に基づいています。
この法律の目的は、暴力団等反社会的勢力による不当要求からの被害防止を図るため、各企業や団体で不当要求防止責任者を選任して、暴力団情勢、暴力団対策法の説明、具体的な対応要領等の暴力団対策のを学び、暴力団等反社会的な勢力への対応方策を身につけるのが目的です。神奈川県公安委員会・警察本部から委託されてセンターが主催しています。
講習内容としては神奈川弁護士会の弁護士による不当要求行為に対する対応について。それから神奈川県暴力団対策課の警備補による暴力団情勢について、そしてDVDによる講習の三コマでした。コロナの影響で通常より時間が短くなってるそうですが、約2時間の講習でした。
ある企業の依頼で弁護士が対応した暴力団との不当請求の話しはとても生々しく、士業の端くれとして自分の身に起こり得ることですので身を乗り出して聞いておりました。また暴対課の警部補の講義は神奈川県内における暴力団情勢を、一般には公開されて以内資料をもちいて説明してくださり、知らない情報が多くとても勉強になりました。それにしても講師の警部補が30代後半から40代前半にお見受けしたのですが、元気はつらつで体育会系の若者がそのまま正義感をもって大人になった感じでとても好感が持てました。
コロナの影響で2時間程度の講習でしたがあっという間の時間でした。最近は暴力団対策法や暴力団排除条例により暴力団員の構成員は右肩下がりで減っていることは承知してましたが、逆に暴対法や暴力団排除条例が整備されたことによって、財団法人暴力追放推進センターと市民が連携して暴力団への監視の目が厳しくなっていることや、何より警察の取締りの強化によってみかじめ料(いわゆる用心棒代)などの従来型の資金源を断たれ今や特殊詐欺にシフトしているそうです。
以前、NHKのクローズアップ現代で、『貧困暴力団が新たな脅威に』と言うテーマで生活費に困窮した暴力団員が新手(荒手)の犯罪に手を染めている状況を報じて下りました。不当要求は暴力団のイメージが強いですが最近は一般の人達がモンスタークレーマーと化して企業に不当な要求をして来ることが圧倒的に多いそうです。お客様とクレーマーの見極め方をきちんと教育してそれでも万が一の為に企業が不当防止責任者を選任することはとても重要な事だと思いました。
話は変わるのですが、今回の講習会の会場だった開港記念会館が国の重要文化財だとは知りませんでした。何度かセミナーや講習会等で利用したことはあったのですが、講堂に入ったのは初めてだったのですがとても趣があって良かったです。
その話は次回のブログにしたいと思います。