雇用調整助成金手続を更に簡素化へ
リーフレットの内容を見ると3つの内容になっております。
1.実際の休業手当額による助成額の算定(従業員が概ね20人以下の小規模事業主)
現状は昨年の年度更新の書類をひっぱり出して、そこから年間で納めた雇用保険料をもとに、1箇月平均の雇用保険被保険者数と年間の労働日数を掛けた数字で割って、平均賃金額(みたいなもの)を割りして、そこに就業規則等で定められた休業手当等の支払率を掛けて基準賃金額を割り出す。そして最後にその事業者が該当する助成率を掛けてようやく1人日あたりの助成額が決まる
実務的には厚生労働省が自動計算付きのExcelを提供しておりますので、そこに数字を入れればよいだけなのですが、必要とする数字がサクッと出ない事業者が相当数出ているのが現状だと思います。
それが、業手当額による助成額の算定(小規模事業主従業員が概ね20人以下)は『実際に支払った休業手当額』により算定出来るようになる。
助成額=「実際に支払った休業手当日額」×「助成率」
文書にしたら一行で済むくらい大きな簡素化ですが、この方法が認められているのは従業員が概ね20人以下の小規模事業主となっているのが残念ですが、私今受けている案件にも20人以下の事業者がありますので非常に助かります。
2.休業等計画届の提出が不要に
現状は従業員を休ませる前に、休業計画を立て労使協定を行い、それに基づいた休業等実地計画届を行い、そして休業を行う流れ
休業手当を立てるにも労使協定、労働組合があればまだ良いのでしょうがなければ過半数労働代表者と協定結ぶ、その過半数労働代表者の選出もいろいろと縛りがあります。そして労使で休業するにあたって休業補償は何パーセントするか決め、他にも休業する人のローテーションはどうするかとか、労使で話し合う必要があります。
計画そのものが不要
これも実績だけで判断すると言うことになりますので、今迄に掛かっていた工数もかなり減って、時間的経費削減にも繋がります。
3.平均賃金額の算定方法の簡素化
現状①平均賃金額の算定『労働保険確定保険料申告書』を用いて計算
②所定労働日数の算定『過去1年分の実績を元に算定』
①の平均賃金額算定は、上記1で示した「年間で納めた雇用保険料をもとに、1箇月平均の雇用保険被保険者数と年間の労働日数を掛けた物で数字で割って算出」で出し、②の所定労働日数の算定も年間カレンダーを元に過去1年分の実績を用いて算出する
① 一人当たり「平均賃金額」 = 源泉所得税納付書の「支給額」÷「人員の数」
② 「年間所定労働日数」 = 「任意の1か月の所定労働日数」 × 12
雇用調整助成金の書類を作る上で、個人的には一番厄介だった部分が非常に楽になると喜んでおります。雇用調整助成金の書類を作るのに苦労されている事業主が沢山おります。私の事務所がある川崎市にも、雇調金の申請について数多くの問合せが来ております。市役所では対応が難しいので、所属している社労士会の支部に市から相談対応の依頼が来ております。私も相談員として対応させていただいてまして、先週は6件対応したのですが、半数は平均賃金計算の質問でしたので、実際対応している方にとっては分かりづらいと言う事だと思います。これが、19日に発表される内容になると、実務的にも楽になると期待しております。
19日発表される予定の中には、助成額の上限8,330円から15,000円程度に引き上げられる内容は盛り込まれておりませんが、政府方針として15,000円程度に引き上げる上げる発表しています。現金給付による支援、国によっては支援決定から2週間で振り込みが完了出来た国もあるそうです。マスコミでも識者の声を取り上げて、政府の支援策についてスピード感が無いと指摘しております。今回だけは、雇用調整助成金も持続化給付金並に申請の負担を楽にして、また申請したら振込を迅速に行われる制度になることを期待します。
本日は以上となります。最後までお読みいだだきありがとうございました。