コラム

健康保険・厚生年金の標準報酬月額の特例改定

昨日、所属している社労士会の支部長から耳寄りな情報が回ってきましたので情報共有致します。日本年金機構のサイトにも25日にアップされておりますが、新型コロナウイルス感染症に伴う休業で著しく給与が下がった場合、健康保険・厚生年金の保険料が、本来ならば固定的賃金(基本給、日給等の単価)が連続して3か月以上続いたときに適用される随時改定(報酬が下がった4か月目に改定=月変)を、特例により翌月から改定可能になります。

健康保険・厚生年金の保険料は、毎年4月、5月、6月の平均賃金をもとした標準報酬月額に、健康保険・厚生年金の保険料率を掛けて算出いたしますが、コロナの影響で日本全国多くの業種で休業が発生しておりますので、最低でも平均賃金の6割以上は休業補償されていると思います。休業手当を出している事業主に対して、国は雇用調整助成金を出しておりますが、月額の上限が33万円となっております。

助成される上限金額に近い休業手当を事業主が出した場合、例えば月額40万以上もらっていた人は休業で4月の給料が33万に下がった場合2等級以上は余裕で下がりますので、5月からの改定が可能になります。健保・厚年の保険料併せると1万程度は下がると思いますが、5月改定ですので、給与の締めが末締めの翌月払いの場合は、5月分の給与は6月になりますので6月に支給する分になります。

標準報酬月額特例改定のお知らせ
日本年金機構より引用
標準報酬月額特例改定のお知らせ
日本年金機構より引用

この特例を利用するには、通常の月額変更とは別の様式、月額変更届(特例改定用)を用いたり、申立書の添付、通常の月額変更届・算定基礎届と提出先が異なり、事務センターへの郵送ではなく管轄の年金事務所に郵送となりますのでご注意下さい。また、今回の特例改定を行っても、本来の定時決定(算定基礎届)は免除されませんのでお気をつけ下さい。また、この特例を利用する場合は対象従業員の同意が必要ですので、詳細は日本年金機構のサイトをご覧下さい。

尚、健康保険については、協会けんぽと組合健保では保険料が変わってきます。協会けんぽの場合は都道府県で保険料が決まっております。組合健保に関しては保険料を組合ごとで自分たちで決められます。参考までに協会けんぽの令和2年度の保険料額表のURLを貼っておきます。

企業にとって売上が落ち込んでいる状況下で、社会保険料の会社負担分は大きいですので、今回の標準報酬月額の特例改定は、該当する労働者が多い事業所には、事業経営をする上では利用価値は大きいと思います。併せて、労働保険・社会保険料共に納付の猶予特例も延滞金が全額免除となります。

本日は以上となります。最後までお読みいだだきありがとうございました。