コラム

雇調金 申請期限一ヶ月延長

新型コロナウイルス感染症の影響で今年の1月24日から雇用調整助成金の特例が始まったのですが、通常の雇用調整助成金の申請期限は判定基礎期間の末日の翌日から起算して2ヶ月以内となっております。ちょっと表現が分かりづらいですが、仮に賃金の締日が月末(例えば8月31日)であれば10月末が提出期限となります。この日を1日でも遅れれば申請書は受理してもらえません。郵送で送る場合も同様ですから特に気をつけなければなりません。 

この判定基礎期間の末日の翌日から起算して2ヶ月以内の申請期限ですが、特例で5月31日までの休業については8月31日まで申請可能としておりました。また、6月末が賃金の締日については通常の申請期限が適用されこれまた8月31日でした。それが9月末まで延長となっております。私は昨日まで気づかなかったのですが25日に発表されておりました。

雇用調整助成金申請期限延長
厚生労働省より

今回の雇調金の申請書類、通常に比べて記載事項が73事項から38事項に削減、また記載事項の大幅な簡略化、何より添付書類の削減がとても大きいです。雇調金の申請を断念する事業者が多い理由としてはこの添付書類を揃えきれない、仮に揃えて提出しても必要な情報が網羅されていなくて申請書の差し戻しにや最悪の場合はそのまま不支給となる事例が結構あったらしく、中小の事業主が申請しやすいように添付書類も既存書類でもOKとなっております。また、非常に厄介だった本来は休業前に出す必要があった計画届も事後提出可能となっております。

雇用調整助成金の申請書類を簡素化します
申請緩和について

ただし、幾ら要件が緩和され申請書類も初めて雇用調整助成金の申請する人にとってはハードルが高いのも事実だったかも知れません。また雇調金の代理申請が可能な社労士ですら、度重なる要件緩和や手続の簡素化で本来の雇調金と別物かと思うくらい変容していますので苦労された先生方も多かったと思います。 

故に、以前のコラムでも何度か書いてきたのですが、8月末までの申請期限を延ばすことによって更に多くの中小事業主(勿論大企業も含む)の雇用維持に大きく貢献するので切に願っておりましたが、厚生労働省も失業率の増加を雇調金が抑えている状況に鑑み、差し迫った8月末を一ヶ月延長することを取り急ぎ決めて発表したということでしょうか。一番上の添付画像にあるように、判定期間の初日が6月30日以前に掛かっている休業については7月を超えたとしても9月30日までとなります。 

今回の措置により申請期限が1ヶ月延びましたので休業手当を払って雇調金の申請をしていない事業者にとっては大きな朗報になるかと思います。仮に申請について全く手を付けていなくてもまだ1ヶ月以上ありますし、分からない事については最寄りの労働局や厚生労働省のフリーダイヤルに相談しましょう。また、社労士も顧問先の定時決定や年度更新も終わっていると思いますので、お手すきの先生も結構いるかと思いますので、行政に相談に行く時間が取れない時は社労士にお願いしましょう。

最後は社労士の営業となってしまいましたが、まだまだごく一部の業種を除いては売上はコロナ以前と比べて非常に厳しいかと思います。年末には資金がショートする事業者がかなり出ると予測されております。そんな状況下でこの雇調金は非常に大きな存在ですし、申請してから支給までが5月6月と比べて格段と早くなっておりますので、まだ申請が終わっていない事業主については是非ともこの雇用調整助成金を有効活用して雇用維持に努めていただけたらと思います。 

本日は以上となります。最後までお読みいだだきありがとうございました。