コラム

7月度完全失業率2.9% 雇調金、支給決定額1兆円を超える!

9月1日に7月分の失業率が発表されました。6月より0.1ポイント悪化しております。雇用調整助成金がなければ失業率は4%を超えると言われておりますので、7月も雇調金によって雇用が守られていることが証明された形になります。

令和2年7月度失業率
総務省統計局 労働力調査(基本集計) 2020年(令和2年)7月分結果より

あわせて9月末に期限を迎える特例措置を12月末まで延長すると8月28日に発表しております。雇調金と同じく「緊急雇用安定助成金」、「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」についても、その期限を令和2年12月末まで延長しております。また、「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金・支援金」および「新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇取得支援助成金」についても、12月末対象期間等の延長となっております。

この措置は何としても雇用を守るとの政府の強い意思かと思いますので、取り敢えず年内については大幅な失業率の悪化はないと思われますが、8月26日のコラム『雇用調整助成金の特例措置再延長』でも紹介しましたが、雇調金の原資である労度保険特別会計雇用保険勘定の雇用安定資金が第1次、第2次補正予算を追加したにも関わらず8月末位で使い切る位のペースで雇調金が利用されております。裏を返すと来年の1月以降は雇調金も規模縮小になると既に発表されておりますので大幅な失業率の悪化が予想されます。最近雑誌等でも大失業時代到来の記事をよく見かけるようになってきました。コロナで企業の倒産リスクが急激に高まっていますので、本当に来年は企業の雇用維持は正念場かもしれません。

支給実績
厚生労働省より

雇調金の上限額や支給割合等特例措置が縮小されますと、人件費を見直さざるを得ない状況に陥ります。先日帝国データバンクが、コロナ関連倒産数が9月3日までに488件発生したと報じております。雇調金は、中小企業はもとより大企業の雇用も守っております。大企業は月に億単位の助成金が支給されますので、これが来年から大幅に規模縮小になれば大企業ですら雇用を守れなくなります。

8月28日時点で、支給決定額が1兆円を超えました。失業を生み出さない失業防止という観点から見れば、雇調金は重要なセーフティネットだと思いますし、失業を直接防止するすという意味では最後の砦かもしれません。新政府には12月以降は雇用保険料をメインとした原資を、緊急措置として一般会計からも大幅に予算を拠出していただき引き続き新型コロナが収束し経済が上向きになっていくまで雇調金の特例措置を出来うる限り維持していただけるよう希望します。

本日は以上となります。最後までお読みいだだきありがとうございました。