技能実習生の異業種転職、特例で可能に
8月25日の日本経済新聞に技能実習生の記事が出ておりました。記事の内容は技能実習を終了した外国人が異なる業種に転職できる特例を設けるとの記事を紹介します。
日経新聞より
1ヶ月前くらいでしょうか、コロナ感染症拡大の影響で仕事が激減し技能実習終了を待たずに実習途中で解雇され、コロナの影響で出国制限もあり生活に困窮している実習生を取り上げたNHKの番組がありました。番組では手持ちのお金がどんどん少なくなっていく不安の中、同じ境遇の人達が集まり共同で生活することによって何とか最低限の生活が保たれている様子が描かれており見ていて辛いものがありました。何故こういう状況が生まれているのか、それは理由がありますのでザックリではありますが説明したいと思います。
外国人は日本に入国するためには必ず在留資格が必要となります。在留外国人の中で日本に観光ビザ等の3ヶ月以下の短期滞在を除いた中長期滞在、留学生、永住者の数は令和元年末で293万人を超えております。在留資格の中で一番多いのが永住者資格で79.3万人、その次に多いのが技能実習の在留資格で41万人です。この41万の人達の中に上記のような方々が記事では2万4千人いると報じておりますが、政府が手厚いコロナ対策をしてきた中置き去りにされて来た人達かと思います。どうしても日本国民の話ではないし、数も少ない(対日本国民と比べた場合)とのことで政府やマスメディアからもある意味放置されて今日まで来たのが実情かと思います。
では何故生活に困窮するのか、それは働くことが出来ないからです。幾らコロナで働き口が少なくなっているとは言え探せば何かあると思うかも知れませんが、技能実習生はそう簡単に転職出来ません。5月21日から技能実習生が実習を終了した場合や新型コロナウイルス感染症の感染拡大で実習の途中で解雇されたが出国制限等で帰国が困難な方は、6ヶ月の特定活動の資格に変更を認める扱いになっておりますが同一業務内容での就労に限っております。この同一業務内容での就労が大きなあしかせになっています。
私は以前の努めていた会社が従前の制度(研修生・実習生制度)の第一次受入機関事業を行っていました。それから在留資格関係の業務はコロナでこういう状況になる前は行政書士の主要な業務と言う事もあり、私も国際業務を行政書士での主力業務と考えおり、今月ピンクカード(申請取次行政書士)の申請を行ったばかりでした。こういった立場柄この問題に強い関心を持っておりましたが、そういう関連性のない人達からすると新聞やテレビのニュースで取り上げられない限り知る由もないかと思います。
先述の2万4千人の大半は同じ職種で転職に成功してるそうですが、一部の人達の就労先が見つかっていないとのこと。それが異業種への転職も可能となる訳ですからかなり道が広がると思います。ただし、全ての業種に転職できるのでは無く人手が足りない外食産業、建設、農業など14業種に絞られていますが、その14業種は慢性的に人手不足の業界ですので仕事を選ばなければ次の就労先は見つかると思われます。